「BHN桑原基金寄附講座」 2024年度後学期科目 開始

2024年10月16日(水)16:28

 

 

今年も電気通信大学(以下、電通大)で4月から実施している本講座は、前学期科目を7月に終え、10月4日(金)からは後学期科目がスタートしました。

後学期初日となる今回は、今まで使用していた電通大キャンパス 東3号館3階301教室から、西9号館2階201号室へと場所を移して実施しました。雨天に関わらず教室には14名もの学生が出席し、国籍はバングラディシュ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、中国の他にヨーロッパからの学生の姿もありました。

講義中は講師と学生の距離の近さからか、お互いの表情が分かりやすく、より講義に集中できていたように思えました。

 

西9号館に教室を移しての授業となりました

 

講座の開始にあたり、「イントロダクション」として本講座の担当教員である高橋 裕樹教授/電通大から本講座の首題、達成目標及び授業内容・スケジュールについて説明があり、引き続き、富野 岳士講師/BHN事務局長による第1回講義が行われました。

 

1.イントロダクション : 【講座の内容の説明】 高橋 裕樹教授/電通大

高橋教授より授業のスケジュールなどの説明がありました。この科目は英語により授業が行われます。

 

本講座(後学期)のスケジュール

第1回 10月4日(金) イントロダクション,SDGsについて

第2回 10月11日(金) SDGsに求められる国際科学技術コミュニケーション

第3回 10月18日(金) 国際会議での研究発表と学術論文の投稿

第4回 10月25日(金) ネットワーク分野の国際標準化

第5回 11月 1日(金) 無線通信分野の国際標準化

第6回 11月 8日(金) 電気電子分野(IEC)およびマネジメント分野(ISO)の国際標準化

第7回 11月15日(金) 国際標準化と知的財産

第8回 11月29日(金) 国際技術連携・技術支援の活動

第9回 12月 6日(金) 国際研究開発プロジェクトにおける活動

第10回 12月13日(金) メディアにおける科学技術に関する報道

第11回 12月20日(金) 国際会合における討議

第12回・第13回 1月10日(金) 演習:演習課題の発表と討論(その1)

第14回・第15回 1月24日(金) 演習:演習課題の発表と討論(その2)

※演習課題:関心を持っている研究テーマの研究資金を得るために、研究資金提供機関の評価者に向けて研究の必要性、インパクト、波及効果を含むプレゼンテーションを行う。

 

本講座の説明をする高橋教授

 

2.第1回講義 : Outline and Essence of SDGs  富野講師/BHN事務局長

まず初めに、SDGsの前身だった2000年の国連ミレニアム・サミットで合意された「ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals:MDGs)」の紹介や、その後2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」について、MDGsさまざまな図や数値を基に比較して解説され、SDGsの新たな17のゴール・169のターゲットについても話しました。

 

SDGsについて講義する富野講師

 

講義の中で特に興味深かったのは、持続可能な開発レポート、「SDGs達成度ランキング」2024年において日本は国連加盟国193カ国の中で18位 (昨年は21位)で、「SDGダッシュボードとトレンド」で示されている世界とOECD加盟国との比較では日本はSDGsのゴール達成したものもありますが、まだまだ「5:男女平等、12:責任ある消費と生産、13:気候変動対策、14:水面下の生命、15:陸上の生命」に大きな課題があるという点でした。

次に、BHNの団体紹介VTRを使用しつつ、団体の活動とSDGsの17の目標の関連性を説明され、その克服方法としてグローバルなパートナーシップの必要性が強調しました。

講義の最後の質疑応答でベトナムの学生から今回の講義に関しての質問があるなど、この科目に対する関心の高さが伺えました。

 

質疑応答で質問をしているベトナムからの学生

 

講義の最後にアントニオ・グテーレス国連事務総長のメッセージ

「この報告書は、今から始まる進歩を最大化するために、より強力で効果的な国際協力が緊急に必要であることを強調しています。」

「残り6年余りとなった今、私たちは貧困を終わらせ、地球を保護し、誰一人取り残さないという2030年の約束をあきらめてはなりません。」 を紹介して今回の講義は終わりました。

 

 

     

寄付をする