令和6年8月8日 『BHN桑原基金寄付講座』 : 技術見学会

2024年8月28日(水)10:20

 

 

2024年度前学期「SDGsを支える情報通信論」

今年も電気通信大学(以下、電通大)で4月からスタートしている本講座は、前学期の11回の講義と4回の演習課題の発表と討論が7月に終了しました。これらに加え、SDGsを支える情報通信技術を具体的に理解するため技術見学会が8月8日に行われましたので紹介します。

技術見学会では、山梨県にある山梨県立リニア見学センター、山梨大学 水素・燃料電池ナノ材料研究センター、奥野田ワイナリー・富士通GP2020ワインファームの3つの施設を見学してきました。見学会には、この講座の受講生6人が参加し、電通大教官3人、BHN関係者4人が同行しました。

参加者は調布市にある電通大に集合し9時10分に貸し切り中型バスにて山梨に向かいました。

 

貸し切りバス前に集合する関係者

 

◇山梨県立リニア見学センター(都留市)

この施設は、2027年に東京―名古屋間の実用運転開始を目指している超電導リニア鉄道の動作原理や開発の歴史を、実物にさわりながら勉強できる施設です。

リニア開発の歴史は古く、東海道新幹線開通前の1962年から開発が継続的に実施されており、日本の物作りの真髄が感じ取れる施設でした。

 

リニア見学センターで記念撮影

 

◇山梨大学 水素・燃料電池ナノ材料研究センター(甲府市)

山梨大学では、近未来の夢の電池と言われる水素及び燃料電池の開発実用化研究に取り組んでおり、このセンターは2008年に設置されました。

見学では燃料電池の原理、特徴、構造、実用化のための課題等をわかりやすく実験を交えて講義していただきました。海外からの留学生にも分かりやすいように、講義や施設見学時の説明は英語で行っていただきました。

 

水素・燃料電池ナノ材料研究センターで水から水素を生成する実験を行う参加者

 

◇奥野田ワイナリー株式会社・富士通GP2020ワインファーム(甲州市)

このぶどう園では、富士通製のデータ転送システムを利用し、ぶどう園の気温・湿度を継続観測することにより、害虫駆除のベストタイミングがわかるようになっており、それによってワイン用ぶどうの収穫増を図っているそうです。

 

ぶどう園でマルチセンシング・ネットワークの子機の説明を聞く見学者

 

ワインファーム見学後帰途に就き、バスは予定通り午後7時電通大に到着し無事技術見学会を終了することができました。

見学の道すがら参加している留学生の一人と話をしたとろ、彼はパキスタンのヒマラヤ山脈に近いスカルドゥという町の出身で、文科省の国費外国人留学生度に応募し電通大の大学院で学んでいるそうです。スカルドゥは登山と山岳観光の拠点で、そこを訪れる日本人から日本に関心を持ったそうです。

見学当日は37度の猛暑の1日でしたが貸し切りバスでの移動でしたので、快適な見学旅行ができました。リニア見学センターや山梨大学の研究所では講師の方が熱心に説明していただきました。また、富士通ワインファームの見学では、力のこもった説明や質問に対する丁寧な回答からオーナのワイン作りに対する熱い思いが伝わり、大変充実した技術見学会でした。この時期、大学は夏季休暇になっているため、学生の参加数が少なかったですが、参加した学生にとっては非常に得るものがあったと思います。大学でのこれからの研究や、社会に出たり自国に帰ってからの仕事に役立ててもらうことを願います。

 

     

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